★立憲民主党会派の元建設相・中村喜四郎の発言が活字になることは少ない。本人がマスコミとの接触を好まないからだ。その中村の会合での発言にこうある。「私は40年の長い期間、20年は自民党にいた。国の借金が増え、社会保障の予算が伸びている時に、首相は『10年間は消費税は上げなくていい』と簡単に言う。私が知っている自民党にはこの感覚はなかった。昔の自民党は権力に対して非常に抑制的で、言っていいことと悪いことをよく考えて言っていた。品格もあったし責任も持っていた」。

★平成生まれの大半は、首相といえば安倍晋三しか見たことがない。安倍政治への高い評価というより、ほかを知らない。朝日新聞の「安倍政権支持の空気」という記事によれば「自分は貧困層だと思う」としながら「僕が生きていかれるので安倍政権でいいと思う」。ここまでくるともうバブルを経験した世代かどうかの議論を超えている。「この先どうなるかわからない。自民が引っ張っていれば、よくはならないけど悪くもならない」との結論だ。

★一方、50代以上の世代は自民党の派閥のすごみ、総裁選の死闘を見てきている。自民党のすごさ、権力を得る努力と得た後の振る舞い方を知っている者からすれば、中村の言う「権力に抑制的で品格、責任がある」という意味がよくわかるはずだ。つまり世代によって政治とのコミットの仕方、信頼度が違う。加えて有権者にも政治の力への期待に差異があるのだろう。それは政治家が小粒になったからだろうか。最初から国民が政治に期待しなくなったからなのか。ただ、国民が政治や政治家に距離を置いたところで、社会の仕組みは変わらない。その意思表示が選挙であるならば、国民は民主主義を守る役割を担うという意思表示も大切な役割だ。(K)※敬称略