7月1日(土)、長野県・野沢温泉の日影ゲレンデに「ファミリー」「仲間」みんなで楽しめるアクティブなパークがオープンする(営業時間午前9時~午後5時、サマーゲレンデは午後4時まで)。それに先立ち、現地を訪問してきた。

 その全容は、全長652メートル、最大速度は時速70キロ、標高差122メートルを駆け下りる「ジップ・スカイライド」や全長500メートル、本物の雪のような次世代スノーマットの「サマーゲレンデ」、家族みんなで楽しく遊べるアスレチックなどを備えたアクティビティパーク「ナスキーパーク」など盛りだくさんだ。

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時速70キロ、空中散歩に歓喜の声が上がる
時速70キロ、空中散歩に歓喜の声が上がる

 とにかく「物々しい」のである。開業前の、「ジップ・スカイライド」試乗会-

 インストラクター氏に呼び出されたのはいいが、のっけから「大丈夫ですか? スピード、出ますよ」とのたまう。当方、64歳、白髪交じりの風体を不安視されたのであろうか。折から天気は急変、先ほどまでの晴天もどこへやら冷たい雨まで落ちてくる。

 慌てて上下のビニールカッパを借りると、「はい、これを装着してください」。差し出されたのは、シート型ハーネス(パラグライダーでいうと、本体にパイロットをつなげる椅子状のそれ)。胸近くには、こぶし大のフックが2個、ぶら下がっている。

 マジックテープで胴をしっかり固定したところで、「はい、これを持っていってください」と手渡されたのが「ジップ・スカイライド」専用滑車だ。三角で、いかにも武骨で、重さ4キロ。その重量感に文字通り、心身ともに重くなる。

 「体調はいかがですか。優れない方は遠慮していただいております」と誓言書まで持ち出されたから、同じく試乗組の女性は「私、高所恐怖症なんです。それに性格的にあがり症で…」と尻込みを始めた。

 「そんなこと言うなよ。俺だって」と逃げ出したいのだが、ここでひるんでは男がすたる。「時速は70キロになります」とインストラクター氏が追い打ちをかける中、小雨降りしきる道をトボトボとリフトへ向かう。

 ゲレンデ脇に4人乗り、大型リフトが緩斜面(これが売り物の、サマーゲレンデになる)に沿って伸びている。リフトの長さ、約500メートル。それなりに上り詰めたところでヤレヤレと一息つくと、目の前に高さ10メートルの鉄骨タワーがそびえていた。

 「昇ります」とインストラクター氏。骨組み丸出し、網目状のそれはまさに死刑台に続く「13階段? しかも今日は金曜日じゃないか」。

 登り切るとさすがにこれは高い。「こちらへどうぞ」と発射台(というのかな)に立つとまたしても「パラシュート(幅50センチ、縱150センチ)を装備します。これがないと時速100キロにもなります」と脅かす。

 腹をくくって台に立つ。バンジージャンプにように真下に落ちるわけではないが、それでもかなりの高層。滑車を上部に取り付けてもらい、フックを確認。「足を真っ直ぐ伸ばして」準備万端とみるや、

 「では5、4、3…」(オイオイ、勝手にカウントダウンするなよ)

 一瞬の、ガシャンという衝撃音に送られ中空に飛び出す。猛烈な風圧も恐る恐る目を開くとそれはそれは絶景、遠く妙高山、戸隠など標高2000メートル級を含む北信5岳をながめ宙に浮く(最高地上高20メートル)。広大な視野に圧倒され、思ったほどの速度感はない。

 およそ50秒間の、空中散歩。一気に到着地点に差しかかると、まるで飛行機の逆噴射のようなショックを受けて「ジップ・スカイライド」は地上に静止した。

 「私にも飛べました。まるで鳥になった気分!」-後続の、高所恐怖症女史も歓喜の声を上げた。

 「楽しかったでしょ」と傍らのインストラクター氏。あんた! 脅かしすぎだよ。

 ★ジップ・スカイライドは、フランスのAEROFUN 社が開発し、同社主力製品と同様のケーブル・ブレーキシステムを採用。このシステムは、過去1万回以上の滑走の中、事故0という実績のある高い安全性を持つ構造システム。また、急傾斜を滑走するため、パラシュートによりスピードをコントロールしている。

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 ◆施設 国内最長(652メートル)の「ジップ・スカイライド」(強風の場合は営業中止の場合も有)、人工芝ゲレンデ(全長500メートル)、ナスキーパーク(ふわふわマウンテン・チュービング・3Dプレイネット・キッズジップライン)

 ◆【入場料】 ★ジップ・スカイライド1回 大人2000円 こども(中学生以下)1200円 (利用条件:小学生、体重25キロ以上、110キロ以下)

 ◆サマーゲレンデ1日券 大人3500円 こども(中学生以下)2000円 シニア(60歳以上)3000円 (未就学児は大人1人の同伴に付き1人無料)。

ナスキーパーク入場料500円(付き添いの保護者及び3歳以下無料)

 ◆詳細はHP「野沢温泉観光協会」(電話0269・85・3155)で検索。

 ◆野沢温泉アクセス 練馬ICから藤岡JCT経由で豊田飯山IC →野沢温泉 約3時間30分。練馬ICから藤岡JCT経由で塩尻・石打IC→野沢温泉 約3時間10分。         

 ★北陸新幹線・飯山駅下車。駅から直通バス25分。


夏でもスキー。人工のゲレンデで滑走する
夏でもスキー。人工のゲレンデで滑走する

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 一方、ユニークな取り組み「ゆかた山岳部」(プレミアムフライデー週末2泊プラン)が人気を博している。まずそのキャッチフレーズを紹介しよう。

「湯から、湯へ。ゆかたでワンゲる?せっかく、日常を離れて来たのだから。せっかく、山だらけの長野県に来たのだから」

 「ゆったり、ゆる〜く、蝶々のように、花から花へ、湯から湯へ。食から食へと巡りませんか?」

 「野沢温泉村にあるたくさんの外湯を、のんびりと巡りながら、美しい風景にこころをときめかせ、ときどき名物に舌鼓を打つ。そんな本気じゃないハイキングを通して、

ビューティな心身を手に入れませんか?」

どうです。楽しそうでしょう。

ゆかた山岳部では、6月~10月の毎月末にそれぞれの季節に合わせた月例合宿を開催中。直近では、6月30日~7月2日の日程で、野沢温泉スポーツ公園オープニングイベントに参加、7月1日ジップスカイライドをオープン初日に体験。浴衣姿でスタート台に登頂(登頂すると登頂証明書発行)。夜は蛍舞う時期・ナイトトレッキングを開催するなど盛りだくさんのメニューが用意されている。

 ちなみに7月は「湖上に立つSUP体験会」、8月は「夜山登頂 ただしゴンドラで」、9月が「スキージャンプ台登頂会」、10月は「日本の夕陽百選の夕焼け山登頂」といった具合。

 合宿参加者は「ゆかた山岳部」の一員。現地部員と一緒に行う、楽しい合宿に参加して 野沢温泉をもうちょっとアクティブに過ごしませんか。


 ★参加、詳細問い合わせはHP「野沢温泉観光協会」(電話0269・85・3155)で検索。

 ◆日本スキー博物館(野沢温泉村大字豊郷7653) 伊勢宮ゲレンデ下に位置するここは、日本はもとより、世界各地から収集した豊富な資料を収蔵するスキー専門博物館。スキー発祥から今日までの貴重な資料を一堂に展示、 スキーの歴史的流れを6つのパートに分け、その代表的なスキー用具や資料と写真パネル年表によって各時代を紹介する。 日本のスキー史コーナーをはじめ各コーナーを設置。 特別展示室では、随時特別展などを開催している。(電話0269・85・3166)

 ◆高野辰之記念 野沢温泉 おぼろ月夜の館斑山文庫(野沢温泉村大字豊郷、電話0269・85・3839) 文部省唱歌「春が来た」「故郷」「朧月夜」などの作詞者で、歴史に残る偉大な国語・国文学者である高野辰之博士の業績とその人柄を称えた記念館。【文化社会部編集委員・石井秀一】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「新聞に載らない内緒話」 (2017年6月)