冬の網走の夜明け前はとんでもなく寒く、それでもせっかくだからと車の窓全開(たまに半開きくらい。暖房も全開)で、刺すような寒さを感じながらドライブ。知床半島への夜道を向かう。まっすぐな道でたまにすれ違うのはトラックばかり。東京で普通に生活していたら絶対に味わえない感覚に、「これぞ旅だ」と自己満足な旅情を感じる。


網走では沖合いにしか存在しなかった流氷が、知床半島では陸地にまで寄ってきているという情報をSNSでキャッチした。出発から1時間少々、夜明け間近の絶景名所「天に続く道」はひとまずスルー。知床半島の付け根にある森を抜けると、びっくり。本当に流氷が、陸地近くまで流れてきている。


流氷が陸地に迫る知床半島
流氷が陸地に迫る知床半島

道中の光景に興奮しながら、ひとまず行き止まりまで向かう。ウトロの街を抜けた高台から、ウトロの街を振り返る。年によっては、オホーツク沿岸がほとんどこんな白い景色になるのだろう。高台の先の知床横断道路は冬季通行止。来た道を引き返す。


知床・ウトロの街にも流氷は迫っている
知床・ウトロの街にも流氷は迫っている

流氷を感じながらのドライブを楽しめる
流氷を感じながらのドライブを楽しめる

雪も深く、流氷に近づきたいのに、そういう場所がほとんどない。「天に続く道」の東ふもとにある集落でようやく海岸に降りることができた。いま立っている場所が砂浜の上なのか、流氷密集地の上なのか、それさえもよく分からない。ただ、目の前には多くの流氷が押し寄せ、ところどころ海面もフローズン状態。流氷が目の前にあることに慣れ始めてしまっていたが、道東に移住しない限りは今後お目にかかれるかどうか分からないことを今こうして書きながら再確認し、もっと満喫すれば良かったと今さら後悔する。


どこかにアザラシいないかなーと思い、最大ズームのデジカメを双眼鏡代わりに必死に探すも、こんな沿岸ではさすがに見つからないようだ。代わりに流氷の上でのんびり過ごす、名も知らぬ鳥がいた。後日調べると、その名はウミガラス。オロロン鳥とも呼ばれる。道北の絶景「オロロンライン」の由来となった鳥にこんなところで巡り合うとは。


流氷で過ごすオロロン鳥。背後には広大な流氷大陸
流氷で過ごすオロロン鳥。背後には広大な流氷大陸

流氷に別れを告げ、5分もたたずに絶景スポット「天に続く道」に到着した。普段はかなりの混雑を見せる場所ながら、冬の早朝など誰もいない。順番待ちの必要もなく、天に続く写真を撮れる。ここを独り占めできるのは相当なぜいたくである。


貸し切りだった「天に続く道・冬」
貸し切りだった「天に続く道・冬」

「天に続く道」から角度を90度東に向け、少しだけ歩き、以前ここでご紹介した「海に続く道」と向き合う。何となく予感はしていたものの、あぁ、素晴らしい。そこは「流氷に続く道」だった。【金子真仁】


「海に続く道」が「流氷に続く道」になっていた
「海に続く道」が「流氷に続く道」になっていた