流氷のオホーツクから、本土最東端の根室へ向かう。雪をかぶった斜里岳の山容が、絵画やCGと思えるほど迫力に満ちていたことを備忘録ということで冒頭に。移動距離が長いので、写真撮影はしなかった。ちょっと後悔。


根北峠を抜け、標津地方へ。エビのような形の野付半島はスルーしたものの、その独特な地形が生んだ内湾が、しっかり凍結している。陸地から数100メートル離れたところにカラフルなテント村ができており、どうやらワカサギ釣りの真っ最中。観察すると、陸地と海の境らしき場所もしっかりある。


野付半島の内湾にはワカサギ釣りのテントがたくさん
野付半島の内湾にはワカサギ釣りのテントがたくさん

地平線まで氷に埋め尽くされている、ということで「氷平線」と命名されSNS映えの名所にもなりつつあるようだ。実際はズームアップすれば、凍結した内湾の向こうに野付半島の建造物が、あたかも蜃気楼のよう。北海道ならではの景色に長居したくもなるが、ここから最東端・納沙布岬までまだ100キロ以上。連日の早起きで眠くなりつつもあり、氷上の冷気を全力で吸い込み、気合注入。


「氷平線」には野付半島の建造物がうっすら見える
「氷平線」には野付半島の建造物がうっすら見える

70キロ近く走って到着したのが、根室の入口にある春国岱(しゅんくにたい)。海に面した湿地帯で、これぞラムサール条約登録地!というような場所だ。以前の訪問時はヒグマ出没情報があり立ち入り禁止だった。海のすぐそばにもヒグマがいることに驚かされる。まっすぐに伸びる木造遊歩道がなんとも旅情をくすぐる。


根室の名所・春国岱。まっすぐに伸びる遊歩道
根室の名所・春国岱。まっすぐに伸びる遊歩道

水鳥たちの生息地。耳を澄ませなくても鳴き声は響く。道中、オオワシの群れが湖上でバシャバシャとやっており、数十人のカメラマンたちがパシャパシャとやっていた。私はさほど人の寄りつかない場所で、ひっそりと楽しむ。数百種類が確認されているという、野鳥の聖地・根室。子どものころはこういう自然に何の感情も生まれなかったのに、大人になると「あぁ、いいなぁ」と思えるのは本当に不思議である。


多くの水鳥たちが戯れる春国岱
多くの水鳥たちが戯れる春国岱

納沙布岬、行かなくていいかな…と少し思ったけれど、一応行く。根室半島の入口から往復100キロ近い、まさに最果ての地。納沙布岬は、訪問動機とそれなりの根性が必要な観光地だ。何せ根室半島は、根室市街地を抜けるとほぼ下の写真のような景色。何もない。道北オロロンラインとはちょっと質の違う「何もない」。けっこう疲れる。


最東端に近づくほど「何もない」根室半島
最東端に近づくほど「何もない」根室半島

東経145度49分、北緯43度22分。一般人が訪問可能な日本最東端地点となる納沙布岬へ到着した。前回訪問時は霧で何1つ見えなかった。心証的に初訪問である。前回訪問時には、「霧で何も見えないけれど、いまオレが日本で一番東にいるんだ」と感慨にふけっていたところ、間が悪くて有名な取引先社長が仕事の電話をしてきた嫌な思い出しかないので、今回は携帯電話は車に置き去り。カメラ1つで、最東端に立った。


本土最東端・納沙布岬の灯台
本土最東端・納沙布岬の灯台

今回は霧がない。だから、肉眼でも十分見える。納沙布岬の沖、3・7キロ。灯台がある。貝殻島灯台だ。その奥には水晶島。ともに、歯舞群島に属する。【金子真仁】


貝殻島灯台と、さらに沖には水晶島も見える
貝殻島灯台と、さらに沖には水晶島も見える