バドミントン女子シングルスで世界ランク6位の奥原希望(21=日本ユニシス)の銅メダルが確定した。準決勝で同10位のプサルラ(インド)に0-2で敗れて3位決定戦に回ったが、対戦相手の同3位でロンドン五輪金メダルの李雪■(中国)が左膝の負傷のため棄権。シングルスでは男女通じて日本人初となるメダル獲得が決まった。

 奥原は心の底からは喜べなかった。3位決定戦不戦勝での銅メダル獲得。「メダルには届いたが、終わり方が残念。もう1試合自分らしい試合がしたかった」と心境を明かした。

 李の棄権を聞いたのは前夜に「タカマツ」ペアの優勝を見届けたあと。「次は自分だ。切り替えてメダルを持って帰る」と悔し涙を封印した直後だった。日本勢史上初のシングルスの五輪メダルに「結果を出せたことは今後につながると思う」。話しながら少しずつ、気持ちを整理しているようだった。

 偉業に変わりない。2度の膝の故障を乗り越え、たどり着いた。埼玉・大宮東高2年時に16歳8カ月の史上最年少で全日本総合選手権を制した。しかし、高3年1月で左膝半月板を損傷して手術を受け、復帰してすぐの翌年4月に右膝半月板で再び手術を受けた。

 復帰すると、上下にはねがちだったフットワークの改革に着手した。参考にしたのは男子シングルス桃田賢斗(21)のスムーズな動き。試合の動画を見て動きをまねると、コート内をより効率的に速く動けるようになった。昨年12月、世界上位8人で争うスーパーシリーズファイナル(UAE)で日本人初優勝を達成すると、注目を浴びるようになった。ともにバドミントン界を引っ張ってきた桃田は4月、賭博行為が発覚し、五輪に出場できなくなった。「さみしいが、必ず戻ってくると信じている」と話していた通り、同士の分もしっかり結果を残した。

 20年東京五輪に向け「次は絶対にタカマツ先輩が上がったあの舞台(表彰台の頂点)に立つんだという気持ち。先輩たちが流した涙は格好良かった」と言った。4年に1度の五輪の舞台で負けたからこそ分かったことがある。「ここは特別な場所。この悔しさは同じ舞台でしか晴らせない。東京でこそ一番上に立ちます」。25歳で迎える東京五輪に最高の笑顔は持ち越しだ。【鎌田直秀】

※■は草カンムリにけいがまえのなかに入